外壁塗装がはがれる原因とは?
〜見た目だけじゃない、塗装剥がれの本当の怖さ〜

「最近、家の外壁の一部がポロポロはがれてきた…」
「見た目が悪くなったなぁ…」
そんな風に感じている方も多いのではないでしょうか。
外壁塗装は、家の美観を保つだけでなく、風雨や紫外線から建物を守る大切な“鎧”のような存在です。その塗装がはがれてしまうということは、家の防御力が落ちているサイン。放っておくと、外壁内部まで劣化が進行し、大きな修繕が必要になるケースも少なくありません。
今回は、「なぜ外壁塗装ははがれてしまうのか?」という根本的な原因について、わかりやすく解説していきます。気づいた今が、対策のベストタイミングかもしれません。
■ 外壁塗装がはがれる主な原因
外壁の塗装がはがれてしまう原因には、大きく分けて以下のような理由があります。
1. 経年劣化
一番多い原因が、塗膜の寿命による劣化です。塗料にはそれぞれ耐用年数があります。
たとえば:
アクリル系塗料:5〜7年
ウレタン系塗料:7〜10年
シリコン系塗料:10〜13年
フッ素系塗料:15年以上
時間が経つと、塗膜は紫外線や雨風の影響で少しずつ劣化し、密着力や防水性を失います。その結果、ひび割れや浮き、はがれが起きやすくなるのです。
2. 下地処理の不備
見落とされがちですが、塗装前の「下地処理」は非常に重要な工程です。古い塗膜や汚れ、カビなどが残ったまま塗装をしてしまうと、塗料がしっかり密着せず、早期に剥がれる原因になります。
例えば、高圧洗浄が不十分だったり、ひび割れを補修せずに塗ってしまうと、数年以内に塗膜が浮いてきてしまう可能性が高くなります。
3. 塗料の選定ミス
外壁の素材や地域の気候に合わない塗料を使用した場合も、塗装はがれが起きやすくなります。
たとえば:
湿度の高い地域で通気性の悪い塗料を使用した
金属系の外壁に適さない塗料を塗ってしまった
経年劣化が進んだモルタル壁に硬質塗料を使った
このような“塗料選びのミスマッチ”も、剥がれの原因になり得ます。
4. 気候条件と施工タイミング
塗装は、気温5度以上・湿度85%以下が理想的な施工条件とされています。雨の日や真夏・真冬に無理に塗装を行うと、塗料が乾燥・硬化する前に水分や結露が入り込み、塗膜の浮きや剥がれを引き起こす原因に。
天候に左右されるからこそ、信頼できる業者は無理な日程で工事を進めず、天候を見ながら丁寧に進めてくれます。
5. 施工不良
最後に見逃せないのが、職人の腕前や施工体制の問題です。
・塗料を規定よりも薄く塗った
・乾燥時間を守らずに重ね塗りした
・必要な3回塗り(下塗り・中塗り・上塗り)を2回に減らした
このような“手抜き工事”は、見た目はきれいに見えても、数年で塗装がはがれたり、劣化が早く進む原因になります。
■ 塗装がはがれているとどうなる?
では、塗装が一部でもはがれてしまった場合、具体的にどんな影響があるのでしょうか?
◯ 防水性の低下
外壁塗装には防水性がありますが、はがれることで水の侵入を許してしまいます。これが外壁材の腐食や、内部の断熱材の劣化につながります。
◯ カビ・コケ・藻の繁殖
水分がしみ込みやすくなり、表面にカビや藻が発生しやすくなります。見た目が悪くなるだけでなく、外壁を傷める原因にも。
◯ 建物の寿命短縮
湿気や水分は、住宅の寿命を縮める大きな要因。構造部分にまで悪影響が及べば、大規模な補修が必要になり、費用も膨らみます。
◯ 資産価値の低下
塗装のはがれは見た目にも影響します。売却時やリフォーム査定の際にマイナスポイントとなり、資産価値が下がってしまうことも。
■ 剥がれを見つけたらすぐに対応を
外壁塗装が少しでもはがれているのを見つけたら、放置せず早めに専門業者に相談することが大切です。部分的な補修で済む場合もあれば、下地から見直した方が良いケースもあります。
外壁診断は無料で行ってくれる業者も多くありますので、「この程度なら…」と思わず、まずはプロの目で状態を見てもらいましょう。
■ まとめ:塗装のはがれは家の悲鳴
外壁塗装のはがれは、ただの「見た目の劣化」ではありません。
それは、家が発している「もう限界です…」という小さな悲鳴。
放っておくと、建物全体に深刻なダメージを与える恐れもあります。だからこそ、“剥がれたら終わり”ではなく、“剥がれがサイン”と考えて、早めの対応を心がけましょう。
塗装の剥がれは、適切な時期にきちんとメンテナンスすれば防ぐことができます。10年、20年と、安心して住める家にするために――
今、外壁の状態に目を向けてみてはいかがでしょうか?